「自分の感受性くらい」

rakuru

2008年10月01日 12:12

 茨木のり子(詩人)

私はお恥ずかしながら、この歳になるまでこのかたの存在を知らなかった。
ただ、自分と同じ誕生日の有名人で、松井秀喜氏とたびたびこのかたの名前が挙がっていたので、
なんとなく気にはなっていた。

私は今年3月まで福岡高等盲学校の理療科で助教諭をさせていただいた。
たった2年間であったが、あそこでの仕事や出会いは私をとても成長させてくれたと思う。

その時に出会った先生の一人に、職員室で私の机の向かいの席だった国語の女性の講師の先生がいた。
彼女は新卒で入ったので私よりも一回りも歳が下だったが、私は彼女の感性に一目置いているところがあったし、彼女は彼女で私に「先生は私の心のオアシスです。」なんてかわいいことをいってくれてたので、、お言葉に甘えて彼女には沢山私のガールズトークにつきあってもらった。

そんな彼女にある時職員室で、
「茨木のり子って知ってる?」
と聞いたらニコッと笑って
「いいですよ~。私個人は金子みすづが好きですが、茨木のり子もいいです。茨木のり子だったらこれです。」
といって国語の教本に載っている詩を見せてくれた。
それが「自分の感受性ぐらい」だった。

いままで女性の詩というのはロマンチックで、か弱い心で事象を捉えているものだというイメージだったので、まあそんな感じなんだろうと高をくくって読んだら、こんな強くてさわやかな女性の詩があったのかととても驚いてしまった。

それから、私は茨木のり子詩集を購入し、ほかの詩も読んだが、ユーモアのある詩もあり、ますます気に入ってしまった。

こんなふうになりたいという女性をまたみつけてしまった。
それも同じ誕生日。うれしい。

強くて優しくて面白くて・・・

鍼灸師として一人前になる前に、母として女性として一人前になりたいノラである。

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